本記事ではこれからE資格を取りたいけど、資格としての難易度はどれほどなのか、
そもそもプログラミング初心者、或いは未経験だけど大丈夫なのだろうかと考えている人に対して、
私が機械学習に関して未経験の状態からE資格に合格した体験や感想を基に
合格難易度やおすすめの勉強方法をご紹介いたします。
E資格について興味を持ち始めたという方にもどんな資格なのか、
どれほど難しいのかをお伝えできればと思います。
☑難易度
☑勉強方法
☑試験の対策やおすすめの参考書
本記事の対象とする人
まずは誰向けに書いている記事なのかをお伝えしておきます。
そもそもE資格についての私の感覚なのですが、運転免許を取得する感覚に非常に近いと感じました。
運転免許 : 運転できるようにするために、学校に通い免許を取得する。
E資格 : AIをモデリングできるようになるために、講座を受け資格を取得する。
なのでこれからAIを始めたいという人にとっては非常にありがたい資格ではありますが、
すでにAIを扱っている人にとっては価値が薄い資格かなと思います。
AI技術者としての実力を示すなら資格よりも今までのキャリアの方が確固たる証明になると思います。
そのため、この記事ではこれから機械学習を始めたい、その一環としてE資格を取得したいという人を対象
としています。
業務や、kaggle等でバリバリやっている人がもし受験するというのであれば、
講座受けて資格取得に向けてどんな対策が必要なのか知るだけで十分でしょう。
もしくは、以下に紹介している通称黒本を読むだけで問題ないかと思います。
E資格とは
E資格とは簡単に、その人がAIエンジニアとしての実装技術がある程度あることを証明する資格の事です。
E資格は一般社団法人日本ディープラーニング協会(通称 JDLA )が策定した資格です。
AIについての資格は多くはありませんが、資格としての価値が高く、かつ有名なものとして真っ先に名前が挙がる
資格だと思います。
同様にG検定といわれるものがありますが、こちらは座学的な内容が多く、
E資格が機械学習の内面の技術的な部分の資格だとしたらG検定は外面的な知識の資格になっております。
そのため、難易度はE資格より下がりますが、機械学習エンジニアとしての力を証明するものとは少し違うものです。
E資格についてもっと知りたい方はこちらをご参照ください。
E資格の難易度
E資格の難易度についてですが、機械学習の知識なし、数学もいまいちって人にとっては
難易度は非常に高い
です。ただし、それでも
勉強すればとれる資格
なので、根気があればなんとかなります。
それぞれのレベルでの勉強時間の目安としては以下のようになるかと思います。
未経験 : 300 ~ 400 時間
数学知識はある : 150 ~ 300 時間
業務経験あり : 50 ~ 100 時間
そのため知識ゼロだと半年あっても毎日2時間以上は勉強しなくてはいけないですね。
資格自体の難易度は個人的に応用情報技術者試験より高い難易度だと感じます。
情報処理技術者試験でのスキルレベル的に表現をすると、
レベル3.2 ~ レベル3.5といったイメージの難易度がしっくりくると思います。
(応用情報技術者試験がレベル3、ネットワークスペシャリスト、データベーススペシャリストがレベル4)
前提知識がないとE資格の合格は難しいのか
E資格は難しい資格ですが、しっかり計画を立てて勉強すれば、とれるような難易度の資格です。
私の場合は、資格受験まで5ヶ月、一日平均3時間という勉強のペースで
一回の受験で合格しました。
問題も講座から逸脱した内容は多くありません。
問題自体の傾向は試験範囲の知識の応用ではなく、基本知識がそのまま出るような問題が多いですので、
講座で学んだ知識をしっかりと把握できていれば合格できる可能性がぐっと上がると思います。
あとはテストの問題形式に慣れるのが大事ですので、講座で出題された問題をよく解くこと、
余裕があれば黒本もやってみることが大事です。
E資格の勉強方法および対策
E資格の勉強方法について講座受講前、受講中、受講後テスト前の3段階に分けてご紹介いたしますので
参考にしてみてください。
受講前の勉強方法
E資格ではPythonというプログラミング言語を使用します。
そのため、ある程度はPythonを読めるようにする必要はあるかと思います。
Pythonについては別記事を執筆予定ですが、
今はこちらのPythonチュートリアルをある程度理解できるようにしておくと良いと思います。
講座の前に必要な知識としてはPython以外には数学です。
具体的には、高校の数学Ⅲまでの知識と、大学数学の線形代数の知識が必要です。
また、統計学の話もE資格では出てくるので、理解しているとより講座の内容が定着しやすいかと思います。
それぞれの勉強については、以下の記事で紹介しているので見てみてください。

いろいろ書いてはいますが結論として、
以下の本が理解できれば受講前勉強としては十分だと思います
こちらは機械学習が何かという観点から、必要最小限の数学知識とそれを使った実装まで記載されているので、
必要な知識を余分なく学習することができます。
また、内容も初学者向けにわかりやすい内容になっています。
チェックポイント
受講前にPythonと数学はある程度できるようにしておこう!
受講中の勉強方法
受講中に関しては講座を利用するのが一番です。
わからないことは一言一句講師の人に聞きましょう。
高い金を払っているので遠慮はしないことです。
新しいことを学ぶうちに過去に学んだことを忘れてしまうということもあるので
上記で紹介しているサイト等を辞書的に使いながら、講座の資料を理解していけば良いと思います。
ただ、私の場合は以下の書籍も併せて読みながら講座の資料を読み進めていました。
第1版の方は上記で紹介した書籍の内容のより詳しい内容が記載されており、後半はCNNの話が主です。
CNNがわかりづらかったという方はこちらの書籍が有効かと思います。
ゼロから作るDeep Learning ―Pythonで学ぶディープラーニングの理論と実装

第2版の方ではRNNの解説が主となってます。
RNNはCNNより難しい内容となっているので、資料ちゃんと読んだもののよくわからなかった
という方が多いかなと思います。
なので、個人的には第2版はあったほうがいいかなと思いますが、
講義を受けて必要性を感じたら買うで良いでしょう。
ゼロから作るDeep Learning ❷ ―自然言語処理編

そもそもCNNとかRNNとか何ぞやって感じだとは思いますが、要はAIの種類の一つです。
いくつもAIの種類について学習する必要があり、これらは主要なものになりますので、
それぞれで本一冊読むぐらいの知識は必要ということです。
また、受講完了には修了課題をこなす必要があります。
こちらは受講資料から構成されるような内容になるとは思いますので、それぞれの資料を熟読し、
着手できる課題からやっていきましょう。
チェックポイント
受講中は、教材とわからない箇所を参考書で補完しよう!
修了課題完了後、試験前までの勉強方法
講座の修了課題が完了したら、あとは試験対策を講じるのみです。
講座の資料と上記で紹介した内容の読み直しが主になりますが、
テストの内容は講座の内容のみではカバーしきれません。
そのため、完璧に対策したい場合は、ほかの資料も調べて、補完する必要があります。
試験内容は形式的なものが多いので、対策を講じれば容易に答えることができます。
そのため、以下の通称黒本と呼ばれるものですが、こちらでの対策は非常に有効です。
徹底攻略ディープラーニングE資格エンジニア問題集 第2版 (徹底攻略シリーズ)

少し高いですが、確実に受かりたいのであれば、読んでおくとよいでしょう。
受験費用自体高いですからね。。。
チェックポイント
受験後、テストまではチートシートを自分で作るか黒本で対策しよう!
試験までの流れ
一応試験までの簡単な流れについて記載しておきます。
試験予約
まず講座が完了したら、JDLAコードといわれるものが講座の担当者から送られてくるはずですので、
それをもとに予約をします。
予約の仕方については2021年1回目用の内容ではありますがこちらを参考にすると良いと思います。
なお試験の受験費用については以下の値段がかかります。
一般:33,000円
学生:22,000円
会員:27,500円
高いですね。。。黒本より全然高いので確実に一回で受かりたいところです。
会員というのはJDLAの会員のことです。
試験当日
試験当日になれば会場に行くと思いますが、会場に先について勉強するといったことができないので、
会場に向かう際には開始15分前に到着しそこから試験が始まる計算で、試験会場につくように準備しましょう。
持ち物は受験のためには身分証明書があれば十分です。
基本は免許証 + 保険証になるかと思いますが、詳しくはこちらのページをご参照ください。
結果発表
結果発表は登録したメールアドレス宛に届きます。
私の場合、結果発表までに最大3週間かかると通告があり、実際に受験から3週間ほどかかりました。
コロナの影響が大きいのかもしれませんが、最短だと10日ほどで発表される場合もあるそうです。
焦らず気長に待ちましょう。
E資格は取る意味はあるのか?
まず、知識習得のための観点としてですが、
個人的な感想としてはE資格は受けて良かったなと思います。
機械学習の学習方法が右も左もわからない状態にて手探りでやるよりは明確な道標があって学習できます。
より効率的に機械学習の知識が身に着けられますのでゼロから学ぶには非常にありがたい試験でした。
ただし、E資格に合格したらからといって、バリバリにAIを作成できるようになるかというとそうではありません。あくまでAIエンジニアのスタートラインに立ったにすぎないのです。
E資格で得た知識だけではKaggleのブロンズすら難しいでしょう。
そこからキャリアを積むには積極的に業務やKaggle等にチャレンジしていく必要があります。
次に転職活動や就職における資格としての価値ですが、
ある程度は有利に働くと考えてよいと思います。
求人にもAIの案件に関してE資格を条件としてる求人は多いですし、資格の難易度から高度な技術に臨む姿勢はあるという評価ももらえると思いますので、就職や転職に利用したいと思ってとることは全然ありだと思います。
ただ、E資格よりは応用情報の方が知名度も要求知識に関しても汎用的な資格なので、
応用情報をとっていない場合はまずはそちらからとるようにしましょう。
有意性はあるものの、E資格より優先順位が高い資格がある、
ただしAIに関する業務に携わりたいという明確な目的があるのであれば、優先順位を上げてとっても良い
というのが個人的なE資格に対する価値観です。
まとめ
勉強方法や、試験対策等をご案内させていただきましたが、
お伝えしたいことは根気よくやれば誰でも受かれる資格であるということです。
ただし、E資格はその人のキャリアによって有効度がガラッと変わります。
おすすめできる人:これからAIを学びたいという人
お勧めできない人:すでにAIを活用して仕事をしている人やkaggler
E資格は最初からやろうとすると非常に難しい資格ではありますが、
勉強したことがダイレクトに生きますし、難しい数式を解いていかなくてはいけない
ということはほとんどありません。
やれば確実に受かる資格だと私は考えていますので、これから始めたい人にはお勧めします。
ただし、すでに業務でデータ分析やAIモデルの構築等を行っている人には
役に立たない資格なので、絶対におすすめできません。
受験費用も車の免許かよってぐらい高いですし。
あくまで、これからAIを始めたいと思っている方の良い目標となる資格っていう感じです。
AIを始めたいという人で効率よく学習したいと思うのであればチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
これからE資格を受験したいと考えている方への参考となれば幸いです。
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