PythonやAnacondaを利用していて、多くの人はメモ帳以外のテキストエディタで開発をしたいと
考えることでしょう。
そこでPythonの開発に利用するエディタ、
つまりIDEとしてVisualStudioCodeを利用したいという人が多いかと思います。
そのため、本記事では前回作成したAnacondaの仮想環境を利用して、
VisualStudioCode（以下VSCode）によるAnaconda環境の使い方をご紹介いたします。
なお、Anaconda環境のインストール方法については以下の記事で手順を記載しておりますので、
必要に応じてご参照ください。
1.VisualStudioCodeのダウンロードとインストール
まずはVSCodeをPCで利用できるようにダウンロードおよび、インストールの手順をご案内します。
既にVSCodeはインストールされているという人は以下の手順までスキップしてください。
VisualStudioCodeのダウンロード
1) VSCodeのインストーラーを取得するために、以下のサイトにアクセスします。
2) アクセスすると以下のような画面が表示されると思いますので、画面中央付近の[Download for Windows]をクリックしインストーラーを取得しましょう。（Windows以外のOSの方はダウンロードボタンの横にあるドロップダウンメニューを開いて該当OSを選択してください。)
3) VSCodeのダウンロードが完了したらダウンロードしたインストーラーをクリックし起動します。
VisualStudioCodeのインストール
続いてダウンロードしたインストーラーよりVSCodeをインストールしていきます。
1) 立ち上げるとまず最初にライセンスの画面が出ますので、こちらは同意するにチェックを入れて、[次へ]をクリックしてください。
2) 次にインストール時に設定されるオプションを選択します。
この辺は特になんでもいいのですが、[アイコンを追加する]にチェックを入れるぐらいでいいかなと思います。
そのほかはデフォルトのままで進みます。必要だと思ったらお好みでチェックを入れてください。
3) 最後にインストールする前の最終確認をします。
設定内容に問題ない場合は[インストール]をクリックしてインストールを開始します。
4) 以下の画面が表示されたらVSCodeのインストールが完了です。
2. VisualStudioCodeの起動とPythonの拡張機能の追加
それではインストールしたVSCodeにPythonが利用しやすいよう、
Pythonの拡張機能を追加していきます。
Pythonの拡張機能があると無いとでは使いやすさに雲泥の差が生まれるので必ず拡張機能を追加しましょう。
1) まずはスタートメニューにて検索等を行ってVSCodeを立ち上げます。
立ち上げると以下のような画面になります。
VSCodeの言語はデフォルトでは英語なので日本語化したいという方は以下の記事をご参照ください。
2) VSCodeでPythonを扱いやすくするために拡張機能をインストールします。
左側のナビゲーションウィンドウより一番下のテトリスみたいなマークをクリックします。
3) 検索ボックスより“python”と入力し、拡張機能を検索します。
最上部に表示される[Python]の項目が確認出来たら緑色の[インストール]をクリックしてインストールします。
[インストール]の表示が[アンインストール]になったら、インストールされている状態となります。
3. 仮想環境の読み込み
1) 次にVSCodeでAnacondaで作成した仮想環境読み込みます。
まずは適当な場所にフォルダを作成します。ここではC直下に[Python]というフォルダを作ります。
2) 作成したフォルダ配下に拡張子”.py”からなるPythonファイルを作成します。
後で定番の”hello world”と出すPythonファイルにする予定なので “hello.py”のファイルを作成します。
作成方法は右クリックをし、[新規作成] – [テキストドキュメント]から新しいテキストファイルを作ります。
3) 作成されたファイルを選択し[F2]キーを押して名前の変更状態にして拡張子含め
ファイル名を[hello.py]にします。
「拡張子を変更すると、ファイルが使えなくなる可能性があります」という警告は「はい」を選択してください。
F2キーは名前の変更が行えるショートカットキーなので覚えておくと便利です。
4) それでは作成したファイルをVSCodeで開きます。
まずは作業フォルダーを指定します。ここでは先ほど作成した[Python]を指定します。
ただ単にファイルを開くだけではデバッグ等が使えないと思いますので、
「フォルダーを開く」よりフォルダ単位で開くようにしましょう。
そうすると、左のウィンドウにフォルダのファイル一覧が表示されているかと思います。
5) この状態で[hello.py]を選択します。
Pythonファイルを選択すると画面下部の青色のバーのところで拡張機能の読込を行っているのがわかります。
6) この青色のバーを選択すると画面上部に[インタープリターの選択]という項目で、環境の一覧が表示されるハズです。これで仮想環境を切り替えることができます。ここでは前回の記事で作成した[TestEnv]を選択します。
選択すると画面下部の青色のバーのところに選択した仮想環境が表示されます。これで仮想環境を利用して開発が行えます。
7) 早速以下のコードをコピペして“Hello World!”と表示させてみましょう。
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text = "Hello World!" print(text) |
コードを入力しファイルを保存したら左のナビゲーションウィンドウから再生ボタンと虫のマークがついたところをクリックしてください。
8) 「実行とデバッグをカスタマイズするにはlaunch.jsonファイルを作成します。」とありますので、
“launch.jsonファイルを作成します”をクリックします。
画面中央上部に作成するjsonのファイルタイプを問われますので[Python]を選択します。
選択後作業フォルダー直下に[.vscode]というフォルダが自動生成され、
さらにその中に以下のようなファイルが自動生成されるハズです。
よくわからない内容のものがいくつも記載されておりますが、
要はデバッグするときのオプションを細かく設定できるものです。
ここでは特に変更の必要はないのでデフォルトのまま進めます。
9) 実行の準備が整いましたので
[hello.py]を選択後、画面左上の[Python:Current file]の再生ボタンをクリックします。
実行すると画面下部のターミナルの箇所に”Hello World!”と表示されているのがわかると思います。
これでVSCodeにて実行するところまで確認することができました。
必要はあまりないかもしれませんが、前回入れた[Numpy]も使えるのか確認したいところですね。
新しく[exeNumpy.py]というファイルを作成し以下のコードを貼り付けます。（前回と同じものです。）
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import numpy as np data = np.random.randn(2,3) print(data) |
ファイルを保存する際は、[ファイルの種類]をPythonにして保存してください。
この状態で、実行を行ってみると前回コマンドプロンプトで見た内容と同様の結果が確認できると思います。
ちなみに上記のコードを別の仮想環境を作成し動かしてみましょう。
恐らく[ModuleNotFoundError]になるはずです。
これで仮想環境が切り替わっていることがはっきりわかると思います。
4. デバッグの実行
1) 最後にデバッグによるコードの実行をします。
コードを書く上ではなくてはならない機能なのでしっかりと確認しておきましょう。
まずは上記のフォルダ配下に以下のコードを書いたPythonファイルを作成します。
値の推移がどうなってるのか見たいので、numpyを使って身長の推定をやってるコードです。
推定の解説はここではしませんが、aの中にある身長のデータから人類（男）の身長の平均を推定するなら
こんな値になるよ！といったデータを分析するための手法です。
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1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 |
""" 身長の区間推定を行うプログラム 正規分布に従うと仮定し、母分散が 6^2 の95%区間推定を行う。 """ import numpy as np def estimation(data,v=6**2): """ data = 身長データ v = 分散、初期値は6^2 """ m = np.mean(data) #平均値を取得 n = data.size #長さを取得 low = m - 1.96 * (np.sqrt(v) / np.sqrt(n)) #下限を計算 high = m + 1.96 * (np.sqrt(v) / np.sqrt(n)) #上限を計算 print("母平均の推定値は " + str(low) + " ≦ μ ≦ " + str(high) + "となる。") a = np.array([165,170,163,171,161,162,180,158,164]) #9人分（男）の身長(cm) estimation(a) #推定を実行 |
保存場所は先ほどの[exeNumpy.py]を保存した場所と同じところです。
2) 保存したら、ファイルにブレークポイントを張ります。
ブレークポイントとはデバッグを実施し、処理が一時的に止まる点を言います。
ブレークポイントを張らないと処理が止まらず、エラーが発生しない限りは
そのまま通常実行時と同じように最後まで処理を行います。
デバッグでは処理中の変数の中の状態の変化などを追いたいので処理の動きを確認したい点に
ブレークポイントを張ります。
今回は以下のように張ります。
赤い点がブレークポイントです。
☑関数のはじめ
3) この状態で実行ボタン(もしくはF5)を押してみましょう。
そうすると、ブレークポイントがついている行で止まることが確認できると思います。
既定であればF10で1行ずつ処理を進められます。
また、F11を使うと途中の関数に入って実行結果を確認できます。
これで変数の値がどうなっているかが確認できると思います。
ここまで進めてきましたが上記のコードを実行しようとしたら
以下のような[ImportError]が出てしまうことがあるかもしれません。
こちらのエラーについては以下の記事で対処法を記載しておりますので、こちらをご確認ください。
これでだいぶPythonの実装がやりやすくなったはずです。
以上で、VSCodeによるAnaconda環境の使用については完了です。
お疲れ様でした。
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