E資格について勉強しているとベイズの定理がかなりの頻度で出現すると思いますが、
一緒に出てくる条件付き確率について苦戦する人も多いかと思います。
前提条件によって条件付き確率を見る角度を変えなくてはいけないので、
問題をいくつも見ているとそのうち混乱してきてしまうといった人もいらっしゃると思います。
そこで今回はE資格を受験するうえで大事な条件付き確率について混乱してしまわないように
図などを用いてわかりやすく解説いたします。
因みにこの次の壁となるベイズの定理についても以下の記事で解説しておりますので、
よろしければご参照ください。

条件付き確率について
条件付確率とはある事象Aが起こるという条件下のもとで別の事象Bが発生する確率を表したものです。
例えばサイコロで条件付確率について考えてみると以下のような事象を指します。
「2つサイコロを投げて両方偶数の目であった場合、合計値が6になる確率」
ここで事象Aは「2つのサイコロの目が偶数の目」、事象Bは「合計値は6」となります。


条件付確率の表現方法については以下のように表されます。

括弧の右側に条件となる事象を記載し、左側にその条件から発生する事象を書きます。
ここでサイコロの例を持ち出しますと、「A:2つの目は偶数である」という事象は”原因”と考えられ、
「B:合計値が6であった」と事象はその原因から起きた”結果”と考えることができると思います。
上記の条件付確率は数式で表すと以下のようになります。

この数式のイメージをつかむためにベン図を使って図示してみます。
P(A∩B)は積集合ですのでベン図の場合は以下のようになります。

上記の図を見てもらえればわかると思いますが、P(A∩B)はAとBが同時に起こる確率の事です。
つまりサイコロの例でいえば、2つの目が偶数かつ、目の合計が6であるということです。
さて、これらを踏まえて例をもとに確率をだしてみます。
まず、「2つの目が偶数」かつ「目の合計が6」について考えます。
目の合計が6となるのは以下の計5通りです。
(1,5) (2,4) (3,3) (4,2) (5,1)
さらに両方とも偶数になるのは以下の2通りです。
(2,4) (4,2)
サイコロ2つの目の出方は 6 × 6 の36通りなのでそれぞれを式に当てはめると
1/18 通りであることがわかります。
2 / 36 = 1/18
条件付き確率への理解が足りていないとここで求めたいものが求まっていそうに錯覚をしてしまうのですが、
「2つの目が偶数」という事象はここではあくまで条件です。
つまり、そういう前提があったうえで、合計が6になる確率を求めてくれといっているので、
「2つの目が偶数」である確率を上記で求めた同時に起こる確率から差し引いてあげなくてはなりません。
前提の確率は無視というかその分軽減したいので
同時に起こる確率から前提のP(A)の確率を割るわけです。
「2つの目が偶数」である確率はそれぞれ偶数が出る確率を掛け合わせれば求まります。
偶数が出る確率は 1/2 なので分母は以下のようになります。
1/2 × 1/2 = 1/4
さて、役者はそろったので先ほどの式に当て込んでみると求めたい式は以下のようになります。

上記の結果、条件付き確率は 2/9 となります。
これで「2つの目が偶数」であった場合に「2つの目の合計が6になる確率」が求まったわけです。
条件付き確率の一番大事なところは、問題文から
何が“原因”で何が“結果”となるかを見極めるところです。
それさえできればあとは数式に入れ込むだけなので、こんがらがってしまうという人は
問題文を数式に起こす練習とかするとよいかなと思います。
さて次は、ようやく本題のベイズの定理に移ります。条件付き確率はあくまでベイズの定理の説明のための前座にすぎませんので、上記の話は理解している前提となります。
今回は以上です。
お疲れ様でした。
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