ネットワークについて知識を身に着けていくと最初に理解するのに苦労するのがIPアドレスかなと思います。今回はIPアドレスを理解するうえで欠かせないグローバルIPアドレスとプライベートIPアドレスについてなるべくわかりやすく解説いたします。情報技術者試験でも必須な知識ですのでこれから資格試験を受けようと考えている人の手助けにもなればよいなと思います。わかりにくい等の内容がございましたらコメントで指摘いただけますと幸いです。
IPアドレスとは
IPアドレスとはインターネットの世界で与えられる住所の事をいいます。IPアドレスにはグローバルIPアドレスとプライベートIPアドレスの2種類があります。それぞれはの特徴としては以下の通りです。
グローバルIPアドレス
グローバルIPアドレスはネットを利用する際に割り振られるIPアドレスですが、その名の通り世界的に利用できるIPアドレスとなります。
プライベートIPアドレス
プライベートIPアドレスはローカル環境でのIPアドレスです。限られた区域内でのみ利用できるIPアドレスとなります。
上記それぞれの違いについて上の説明では具体的なイメージがつかないと思いますので学校に当てはめて考えてみます。例えば、情報技術高校の2年3組出席番号23番の高橋君がいたとしますよね。よその学校の人にどの学校出身ですか?と聞かれたら高橋君は何と答えますでしょうか。おそらく情報技術高校と答えるでしょう。まさか2年3組で出席番号23番ですなんて言わないと思います。例えそれで答えたとしても伝わらないでしょう。じゃあ同じ学校の人にどこのクラスで出席番号はいくつ?って聞かれたらもちろん2年3組で出席番号23番と答えるでしょう。「情報技術学校だよ!」って答えても「いやそれは知ってるから!ビシッ」みたいなツッコミされる落ちが目に見えてます。それはそれでいいかもしれませんが。

つまり何が言いたいかというと、よその人がわかるように全国的に見て伝わる住所として割り振られるものがグローバルIPアドレス、限られた区域内で過ごす同じ地域内の人たち、つまり同じグローバルIPアドレスを持つ人たちに対してどこに住んでいるかわかるように割り当てられる住所がプライベートIPアドレスというわけです。イメージ湧いたでしょうか。
クラスについて
IPアドレスにはクラスというもので分類分けされております。ここでは簡単に説明しますが主にクラスAからクラスCまであります。
クラス | IPアドレスの範囲 | 使用目的(割り当て可能台数) |
---|---|---|
クラスA | 0.0.0.0 ~ 127.255.255.255 | 大規模ネットワーク(約1677万台 割り当て可能) |
クラスB | 128.0.0.0 ~ 191.255.255.255 | 中規模ネットワーク(約6万5千 割り当て可能 ) |
クラスC | 192.0.0.0 ~ 223.255.255.255 | 小規模ネットワーク(254台 割り当て可能 ) |
例えば200.200.200.1というIPアドレスの場合はクラスBである、ということがわかります。これ以外にもクラスはあるのですが、グローバル/プライベートIPアドレスで意識するのはこの3つです。IPアドレスのクラスについては以下の記事でより詳細について説明しておりますので、よろしければご参照ください。
クラスを意識することでIPアドレスをグローバルIPアドレスか、プライベートIPアドレスか見分けるのにも利用できます。それはそれぞれのクラスでプライベートIPアドレスの範囲が決まっているためです。決められた範囲は以下の通りになっております。
クラス | プライベートIPアドレス範囲 |
---|---|
クラスA | 10.0.0.0 ~ 10.255.255.255 |
クラスB | 172.16.0.0 ~172.31.255.255 |
クラスC | 192.168.0.0 ~ 192.168.255.255 |
IPアドレスを調べる[ipconfig]コマンド等を使って自分のパソコンのIPアドレスを見てみると大体192.168.x.xみたいな値になっていますよね。なので、あっ自分のところは今クラスCのIPアドレスで割り振られているんだなということがわかります。

クラスAとかクラスBとかは会社で使用しているサーバーとかでipconfigコマンドを実行してみるとそういう値になっているかもしれません。
さて先ほど例に挙げた200.200.200.1のアドレスですが、これはプライベートIPアドレスでしょうか?違いますよね。上記の表に当てはまらないのでグローバルIPアドレスということがわかります。ネットの回線速度UPとかでよく話題になるGoogleのDNSサーバーのIPアドレスの[8.8.8.8]ももちろんグローバルIPアドレスです。プライベートIPアドレスでは接続できないからグローバルIPアドレスが公開されているんだなと上記の内容を知っていなくても推察できますね。
ここら辺は資格試験で問われたりする内容ですので情報技術者試験を受けるのであれば覚えておきたいです。資格以外だとネットワーク解析で使ったりするんでしょうか?あまりグローバルかプライベートかを意識して確認したことはありませんが…。
グローバル/プライベート IPアドレスについての問題
さて、せっかくなのでグローバル/プライベートIPアドレスに関する応用情報技術者試験の問題を1問解いてみます。上記の内容が理解できていれば非常に簡単な問題だということに気づきます。
2. プライベートIPアドレス
3. マルチキャストアドレス
4. ブロードキャストアドレス
まず1番は該当しそうということはすぐにわかりますね。10.x.x.x , 172.16.x.xや , 192.168.x.xといった数字ではありませんので。つまり2番のプライベートIPアドレスは明らかに違います。3. 4. については軽く説明しますとブロードキャストアドレスは、255の値がセットされるようなIPアドレスです。もう少し詳しく説明するとホスト部がすべて1のIPアドレスです。これについてはまた別記事で説明します。
マルチキャストアドレスは複数の端末をグループとしてそこで共有されるIPアドレスの事でクラスDのアドレスです。
もう一度問題のIPアドレス、”208.77.188.166″を見ると、255なんて値は含まれておりませんし、クラスCのアドレスではあるのでクラスDを知らなくても少なくともクラスDのアドレスではないことがわかります。よって答えは1.のグローバルIPアドレスです。
いかがでしたでしょうか。IPアドレスについては理解しなくてはいけない要点がいくつもありますので、要点を一つ一つ丁寧に理解していくことが大切だと思います。
この記事ではグローバル/プライベートIPアドレスについて焦点を当てて解説しておりますので、そのほかの関連する内容についてはその内容の解説記事をリンクしておりますので、そちらでご確認ください。主体とならないワードについては軽くしか触れておりませんのでそれぞれ理解してパズルのようにつなげると一気に理解が深まるはずです。
今回はここまでです。
お疲れ様でした。
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